通信制高校は、授業カリキュラムが全日制高校と異なるだけで、同じ高等学校としての卒業資格を得ることが出来ます。では、具体的にどのような部分が、全日制高校と異なるのか、その通信制高校の特徴的な部分を紹介します。
|通信制高校の単位について|
1年、2年、3年と段階を踏んで、教育課程を進めていく学習の仕方を学年制といいますが、通信制高校においてはこれとは異なる単位制という方式を採用している学校がほとんどとなります。単位制とは、学年ごとではなく、授業ごとに一つの区切りを設けて学習を進めていく方式です。つまり、「現代文」や「世界史」といった授業一つひとつに学習を修めていくということです。そして、各科目ごとに必要な単位をすべて修めることで、卒業の資格を得ることになります。必要な単位は、高等学校で修める基礎的な科目の他、学校が定める過程があります。目安としては、最低74単位で卒業条件はおおむね満たすでしょう。ちなみに、1単位当たりの学習時間は50分で、標準的な学校では35単位、すなわち29時間10分の学習時間が全日制高校では学習の時間に費やされています。
|通信制高校の学習について|
通信制高校に通う人は、それぞれ異なる背景があります。家庭の事情で働きながら高校に通うという人もいれば、以前高校を中退して勉強をやり直すことが目的の人もいます。(⇒通信制高校でがんばる)その様な背景に関わらず、どのような人でも平等に受け入れて高校卒業資格を得ることが出来るチャンスを与えるのが、通信制高校の第一の利点です。そして、彼らが平等に学習を進めるにあたり、基本的に学習は自己学習と呼ばれる通学をしないで行うスタイルで行われます。とはいえ、その学習のすべてを、生徒の裁量に任せているわけではありません。定期的に洗濯している授業のレポートを提出して、添削指導を受け、試験を受ける必要があります。それを学校側が基準を満たしていると判断したのなら、単位が授けられることになります。また、1年間のうちに最低3日は学校へスクーリングと呼ばれる通学をしなければ、卒業条件を満たすことはできません。これは、学校によって週1日~年3日まで日程や規定が異なります。
|その他の特徴|
通信制高校に通う生徒に喜ばれるのが、自由な校風です。制服もなく、アルバイトを行うのもすべて認められている学校ばかりです。また、年間でどれくらい学習を進めていくのかも生徒に任せられています。そのため、人によって、卒業までの授業計画に開きがあり、3年間で卒業することを目指している生徒もいれば、5年かけて卒業する生徒もいます。